安養寺

臨済宗

安養寺 あんようじ

方等山 安養寺は糸島の野北漁港に程近い彦山の南のふもとにあるお寺です。
海の近くですが、山のふもと。海は見えませんが、自然に囲まれた静かな立地です。

寺院紹介

糸島の野北漁港に程近い彦山の南のふもとにあるお寺です。
海の近くですが、山のふもと。海は見えませんが、自然に囲まれた静かな立地です。

県道から一本入ったところにあり、名前を大きく掲げているわけではありません。
しかし、歴史は古く以前はとても大きなお寺だったということが文献に書かれています。

華美ではありませんが、きれいに整えられた駐車場と境内。
お寺の方が毎日お手入れをなさっているのがよくわかります。
本堂付近には見事な紅梅があり、濃い色の花を咲かせます。

境内には馬頭観音堂、薬師如来堂もあり、そのお姿を拝むことができます。
静かに心落ち着く空間と時間が広がるお寺です。

見学レポート

周囲を自然に囲まれたお寺です。
初めて訪れたとき、お寺の名前も大きく打ち出すことのない様子に驚きました。

来るものを拒む造りではありません。
しかし、積極的に招くわけでもありません。
ただそこに在って、何人も自由に参詣してよいと構えている、実に落ち着いたお寺なのです。

お寺の方にお話を伺いました。
きれいな紅梅を見ながらお話をしていましたが、花祭のお話がとても印象的でした。

毎年花祭にはお檀家の方と甘茶を入れて集まってお話をなさったりするということなのですが、たまたまお寺の前を通りかかった方がふらりと立ち寄って見学させてほしいとおっしゃったそうです。
もちろんお寺ですから、どうぞということになり、お客様が中に入られたそうですが、たまたまいらっしゃったのが外国人の方だったとか。

これも縁、ということで居合わせたお檀家の方も皆さんが甘茶やお菓子でおもてなし。
とても喜んで帰っていったとか。

あぁ、このお寺の何人も拒まない雰囲気というのは、お寺に寄る人たちの雰囲気そのものなのか!
と、納得のいくお話をお伺いすることができました。

とても素敵なお寺ですよね!

ご本尊と福岡県西方沖地震のお話

本堂のご本尊は平成17年の福岡西方沖地震の際にお倒れになったそうです。

安養寺のあるこの地域は最大震度6弱~5強の地域でした。
お寺の方のお話では、山門も壊れかけ、立っていることもできない揺れだったとか。本堂の倒壊もありえるということで、屋外に避難なさったそうです。
本堂にはご本尊以外にも歴代住職のご位牌や檀家の皆さんのご位牌が並んでいるのですが、そのご位牌も軒並み倒れてしったものだと覚悟して、中に戻ると…

本堂内はご本尊をはじめ、お供えものやろうそく立て、お花などが倒れてしまっていました。
しかし、不思議なことに、ご本尊の隣にあった歴代住職のご位牌は、1つも倒れることなくそのままの姿だったのです。まさか、そんなことが!と思いながら隣室の御霊屋に向かうと、たくさんある檀家の方のご位牌も、元の姿のまま、1つも倒れることなく無事でした。

ご本尊が倒れることで、ご自身が全てを身代わりにお引き受けくださったのでは。そう思ってしまうようなお話をお伺いし、改めてご本尊に向かって手を合わせてしまいました。

アクセス

交通アクセス:昭和バス 野北バス停 徒歩すぐ
JR筑肥線 筑前前原駅より車で15分
お車の方 福岡前原道路 前原出口 20分