長徳寺は江戸時代・寛永20年(1643年)に本願寺より木佛・寺号を許され、現在の柴田春城住職で12代目となる由緒あるお寺。
樋井川からほど近く、住宅街を見守るように佇むその姿は、堂々とした風格の中に人々に愛されているお寺ならではのやわらかな風情を醸し出しています。

歴史のあるお寺ですが、かつては廃寺寸前になったこともあるそう。
しかし地域の人々や檀家さんに愛され、守られて370年もの歴史を刻んできたそうです。

2016年に建て替えが完了した本堂は、宮大工や瓦職人のこだわりが詰まった美しい勾配を描く屋根が印象的です。
それを黒を基調にしたモダンなしつらえの門徒会館が引き立て、行きかう人々の目を奪っています。

2014年に建立された納骨堂はバリアフリーで、エレベーターも完備。
随所に手すりなども据え付けられ、足が悪い方やご年配の方もお参りしやすいよう配慮されています。

本堂・門徒会館・納骨堂ともに細部まで使いやすさに配慮されており、利便性もデザイン面もこだわり抜いた設計ですが、実は長徳寺の一番の魅力は別のところにあります。

それは「人々に愛されるお寺を目指す住職の人柄」。

「お寺に敷居の高さを感じる人も少なくありませんが、当寺は山門も塀もなく、いつでも気軽に入れるようになっています。
檀家の皆さんはもちろん、地域の人々の開かれたお寺にしたいですね」
と柴田春城住職。
その包み込むようなご住職の笑顔を見ているだけで、心が優しく和んでいきます。

長徳寺はそんなご住職の思いと、木の香りに包まれた暖かみのあるお寺でした。

長徳寺の本堂は、風格がありながらも木のぬくもりを感じる、優しいたたずまいが特徴。

2005年の福岡県西方沖地震による被害がきっかけで本堂を建て替えることになり、門徒の皆さんと打ち合わせを重ねながら10年計画で完成したそうです。

今回の取材では360度にこだわりが詰まった本堂・門徒会館について、ご住職に直接説明していただきました！
(お忙しい中ありがとうございます！)

まずは門徒会館から。
門徒の皆さんの立場に立った使いやすく落ち着いた雰囲気で、廊下には門徒さんのアート作品も♪

お内仏の襖には人の一生を蓮の花の移ろいになぞらえた美しい襖絵が。
仏壇も透かし彫りの孔雀や引出し一つ一つにも美しい彫刻が施された逸品なのです。

1階が門徒会館、二階が納骨堂になっており、ご年配の方や足の不自由な方のためにエレベーターも用意されています。

車いすのまま入れるトイレも完備されています。細かい心遣いがうれしいですね♪

次に本堂を案内していただきました♪
本堂は日本古来の木造建築にこだわっており、入ったとたん柔らかな木の香りが‥。

本堂の入り口を見上げると…細い垂木が二重に組み上げられ、その細緻な作業はまるで芸術作品のよう。
屋根の両端には蓮の花が配されていますが、実は右と左では少しだけ違うんですよ。
ぜひチェックしてみてくださいね。

また、門徒さんだけでなく地域の皆様に広く門戸を広げられ、本堂や会館で書道教室、池坊の華道教室、ヨガ教室なども定期的に開催。
ジャズレコードのコンサートも定期的に開催され、毎回たくさんの皆様が参加されています。
選りすぐりのJAZZが、今静かなブームとなっているレコードで、最高の音響整備によって堪能できますよ。

「地域の高齢者施設の方からお声かけをいただき、今後は演歌や昭和歌謡のCD・レコードコンサートも開催したいと考えています。
また、写真展など文化発表の場としても活用していただいています。
たくさんの皆様にお寺で素敵な時間を過ごしてもらえたらうれしいですね」と住職は微笑まれます。

参加は檀家さん以外の方も大歓迎とのことです。
開催日時などはお寺にお問合せください。