切幡寺~篠栗四国八十八ヶ所第10番札所~

真言宗

  • 納骨堂

切幡寺~篠栗四国八十八ヶ所第10番札所~ きりはたじ

弘法大師・空海入定の地・高野山の霊木を使った本堂を持つ得度山 切幡寺。
ご本尊の「女人成仏千手観音」をはじめ、タイから寄贈された「釈迦如来像」、高野山奥の院から授かった「貧女の一灯」の分灯などもあり、豊かな自然と、数々の仏様・神様に見守られる心豊かな時間を過ごすことが出来ます。

寺院紹介

篠栗四国八十八ヶ所第10番札所の切幡寺は、出家後厳しい苦行練行を積みながら多くの信仰者を導き、厳しい仏道を全うした尼僧「恵良」によって開創されたと言われています。

現在の本堂は弘法大師・空海の入定の地である高野山の霊木を使って再建。
高野山の霊気にじかに触れることができる由緒あるお寺です。

切幡寺の大きな特徴は無数の仏様やお地蔵様に見守られながら参拝できること。
藪邦彦(やぶくにひこ)住職いわく「いろいろな仏様やお地蔵様が自然と集まって来られ、その中で一つの調和した空間が創られています」
とのことで、その大半は信者さんの寄贈であるそうです。

ご本尊の千手観音様は別名「女人成仏千手観音」とも言われ、女性の強い味方であるとともに大願成就、厄除の観音様でもあるとか。
その他にもかまどの神様である「三宝荒神」や「子安観音」「鬼子母神」など女性にゆかりのある仏様・神様が数多く安置されています。

ご本尊の右脇には「不動明王」、左脇には「愛染明王」、側面にはタイより贈られた金色に輝く「釈迦如来」、そして仏教の守護神であり、福の神である「毘沙門天」などが祀られており、様々な仏様・神様に手を合わせる心豊かな時間を過ごすことができます。

そのほかにも土用丑の大祭にしか扉が開かない「秘仏の厄除千手観音」「三面大黒天」「一路観音」「ビシュヌ天」など多くの仏様、神様がいらっしゃり、訪れる人の祈りを優しく見守ってくださいます。

もう一つ見逃せないのが、高野山奥の院に千年来灯し続けられている「貧女の一灯」の分灯。
また本堂の奥には仏舎利塔が建立され、お釈迦様の御真骨「仏舎利」を納めた納骨堂があります。

仏像だけでなく、境内から一望できる篠栗の豊かな自然や澄みきった空気も切幡寺の魅力。

森羅万象すべてのモノに命があり、仏性が備わっている――
切幡寺はそんな仏教の教えを肌で感じることができるお寺でした。

見学レポート

篠栗の山々を背に従え、堂々とした風格を讃える切幡寺の伽藍。橙色の山門に向かう手前まで来たところで、
…ん?
階段手前の左奥に何やら洞窟のようなものが見えます。

そっと覗いてみると…その奥にはなんと、恐ろしい形相の閻魔大王様が!!

実はここは切幡寺の「懺悔洞」。

閻魔大王様は「忙しい世の中を生き急ぎ、自らを省みることなく、嘘をつき悪びれず、自分の都合でいいわけをする風潮に心傷め、憤怒の姿をこの地に現わされた」そうで、ここで懺悔をされるお遍路さんや参拝客も多いようそうです。

閻魔様の前で自分の胸に手を当ててみると…チクリチクリ…合掌。

懺悔を済ませ、すがすがしい気持ちで階段を上りつめ本堂へ向かいました。
本堂にお参りし、後ろを振り返ると――
青空に描かれた雄大な山々の稜線、遠くには玄海灘まで見渡せる篠栗の絶景が目に飛び込んできます!

耳を撫でるのは野鳥の声と清流の水音…。
住職いわく「自然をじかに感じ、その中で私たちが生かされていることを感じていただける場所」とのことで、確かに!
この美しい景色に包まれているだけで心洗われるようです。

本堂の隣には「阿字観瞑想道場」が設けられており、毎月定期的に坐禅会「阿字観瞑想」を開催されています。

「多忙な毎日の中であっても、坐禅や瞑想の時間を取ることで自分自身を改めて見つめ直すことができます。
一時間半の瞑想は長いようですが、日ごろのストレスを解消し、心を穏やかに落ち着ける時間として皆さん楽しまれていますよ。」と藪住職。

もちろん、椅子坐禅でもOK!親子で参加されている方もいるそうですよ~♪

「お寺というと寂しいイメージを持つ方もいますが、もともと仏教はより良く生きるための知恵であり、心の拠りどころになるところです。
気軽に足を運んでお寺の雰囲気を体感していただきたいですね」(藪住職)。

切幡寺では信者さんと一緒に篠栗八十八ヶ所を回るお遍路巡拝も開催。
一泊二日で各札所の特徴や作法なども教えていただけるそうで、20~70代まで幅広い年齢層の方が参加されているそうですよ。

■知的障がい者芸術家グループによる色とりどりの見事な天井画

切幡寺の本堂に入ったら天井を見上げることをお忘れなく!

というのも、格天井にはダイナミックに描かれた毘沙門天、孔雀明王、そしてその周りをタコ、羊、バス停、幾何学模様など様々なモチーフの絵が彩り、まるで曼荼羅(まんだら)のような世界が描き出されているのです!

これは知的障がいを持つ方たちの芸術家グループ「アトリエヴラブォ」の皆さんが奉納されたもので、先代住職たっての希望で実現したものだとか。

豊かな感性で描かれたこの天井画は、切幡寺を訪れる人々に感動と癒しと元気を与えてくれます。

■無数の菩薩様に見守られる境内。「開運」と「罪障消滅」の念珠もぜひ引っ張ってみて。

数々の石仏を安置した仏堂、優しいお顔がずらりと並ぶ地蔵菩薩群、子安観音、鬼子母神などなど‥。

切幡寺は、本堂はもちろん、境内のいたるところで様々な仏様・神様が見守られています。

本堂の横には「罪障消滅念珠」「開運招福念珠」が下げられており、参拝者自ら「南無大師遍照金剛」と唱えながら手前に引っ張り、お祈りをすることもできるそう。

その他にも閻魔大王が鎮座する「懺悔洞」など、見所いっぱいの切幡寺。

ご家族連れの方も楽しくお参り出来るお寺ですよ♪

アクセス

交通アクセス:JR篠栗駅 車で19分