耕月院

真言宗

耕月院 こうげついん

古くからの街中にある小さなお寺です。
細い路地に面しており、看板などもなく、静かに訪れる人を待っているような雰囲気があります。

寺院紹介

古くからの街中にある小さなお寺です。
細い路地に面しており、看板などもなく、静かに訪れる人を待っているような雰囲気があります。

もともと「耕月庵」といわれ、筥崎宮で働いていた人が隠居したときの住居として建てられたものだと伝わっています。
はっきりといつ頃からあるのかはわからないということですが、かなり昔からあったようです。

真言宗寺院として再興したのは比較的最近だということで、それまでは地域の方が管理されているようなところだったそうです。
そのため、山号や寺号がなく「耕月院」という名だけが残っています。

歴史ははっきりしませんが、たくさんの石仏やお地蔵さまが並んでおり、古くからこの地で信仰の対象だったことが伺えます。

詳細は不明ですが「薩摩塔」といわれる石塔の一部が残っています。
薩摩塔は九州でしか現存していないとされる石塔で、おそらく中国で造られ宋商人(博多網首)たちが日本に持ち込んだのではないかという説があります。
確認されているのは九州内で30基ほどだという貴重なものです。

恵光院という筥崎宮近くのお寺にも残っているということですので、どちらも足を運んでみてはいかがでしょうか。

見学レポート

道を歩いていてお寺探していると、なかなか見つかりません。

それもそのはず。看板もなく、山門もありません。
まるで一軒家のようです。しかし、門柱には「耕月庵」と彫られているように見えました。

ここかぁ、とお寺の敷地に足を踏み入れました。

すると、左側にたくさん並んだ仏様にお地蔵様に…その他大勢の方々が。
「その他大勢」につきましては、行ったらよくわかるのですが、十三仏の一番端っこの隅にたくさんの石仏木仏、プラスチックの人形?やハニワなどが祀ってあるのです!

うーん、カオスですねぇ。

どの方もステキなお顔をなさっていて見飽きないのですが、お一方のみ厨子に入っている上にさらにケースに納められているようです。
こちらの方は「淡島様(あわしまさま)」という女神さまだそうです。

あわしまさまは諸説ありますが、女性全般の守護神として、女性の病気や裁縫の上達、人形供養など広く信仰される神様だといわれています。
昔から大切にされてきた神様のようで、年月を経ているはずなのにとてもキレイでした。

私もしっかりお願いしておきました!!
これでいいことがあるに違いない!!

こちらのご住職は平日昼間はほとんどいらっしゃらないそうです。
運よくお話をする機会に恵まれましたので、薩摩塔のこと、あわしまさまのこと、「その他大勢」のことなど、様々なお話をお伺いしました。

こちらのお寺に来る方は、困って困って最後にここに行き着いたという方が多いということでした。
このお寺でできることは何でもしてあげたいと思っています、とおっしゃって下さいました。

ご住職とお話なさりたい方は、是非連絡してから訪問してください!
そうでなくても、どなたでも気軽にお参りに来てくださいとのことです。

本堂は鍵が閉まっているので、声をかけてお願いしたら開けてくださいますよ!

薩摩塔 と 「その他大勢」です

薩摩塔は中国で造られた石塔で、仏塔というよりも地域信仰の対象となっていた説が有力です。
僧ではなく商人が持ってきたということも、お寺の多い京阪神などには見られないことからそのように考えられています。

ハニワ、大黒様、仏像、その他たくさん祀られています。

もともとは薩摩塔しかなかったのですが、自然と集まってきたそうです。
大事にお祀りし、今でも手を合わせに来る方もいるとか。
お水やお花などが自然と手向けられているようでした。

「あわしまさん」と呼ばれています

お寺ですが神様をお祀りしています。
お寺には神様が祀られていることは珍しくありません。
もともとは神社も寺も一緒だったからです。
なので、今でもお寺には神を祀ることについては普通のことという考え方があります。

こちらの「あわしまさん」は古くからたくさんの方の信仰を集めてきたと思われます。
色あせもしていませんし、傷みもほとんどわかりません。
今のご住職の代では周りの厨子やケースの補修はしても、本体はそのままで特に扱ってないということでしたので、どれだけ大切にされてきたのかを感じることができます。

アクセス

交通アクセス:西鉄バス 東光町バス停 徒歩5分
JR地下鉄各線博多駅 徒歩10分
お車の方 福岡都市高速博多駅東出口 3分