金松山 西光寺

臨済宗

金松山 西光寺 さいこうじ

日本で初めて創建された禅寺「聖福寺」の塔頭寺院のひとつ。
寺内には日本に二か所しかない虚無僧寺のひとつ「一朝軒」があり、福岡県の無形文化財にも指定されている尺八の技法「一朝軒伝法竹」の稽古も行われています。

寺院紹介

西光寺は、鎌倉時代初期、日本における臨済宗の開祖・栄西禅師が宋から帰国するときに同行した宋人に寺地を与え、九品宗という宗旨とともに賜ったお寺です。

その後は住職がいない空白の時期が続きましたが、戦後、聖福寺の塔頭寺院(※)「幻住庵」の住職によって再興され、現在は聖福寺の塔頭のひとつとして、聖福寺境内の西門の脇に伽藍を構えています。

西光寺は古刹の雰囲気漂う静かなお寺ですが、実は境内には、県の無形文化財にも指定され、国内外の人々にも注目される“あるもの”があります

それは寺内にある「普門山一朝軒」。

皆様は「虚無僧」をご存知でしょうか。
天蓋 (編笠) をかぶり尺八を吹きながら、托鉢するその姿は時代劇などでもおなじみですね。

この虚無僧のお寺が「普化宗」の寺院で、「一朝軒」は現在日本で二か所しか残存していない普化宗の寺院の一つ。
江戸時代は手厚く保護された普化宗ですが、明治維新には一時禁止されてしまいました。
しかし、その後もひっそりと受け継がれ、戦後1957年に西光寺にて再興されたのが「一朝軒道場」です。

ところで、なぜ虚無僧は尺八を吹くのでしょうか?

「普化宗にとって尺八は、お経を唱えることや坐禅などと同じく禅の修行です。
“一音成仏”という言葉がありますが、これは“一つの音に集中し、一音で仏になる”という意味。
つまり尺八を吹くことによって自分の中にある仏を知ることなのです」
と、一朝軒の22世看手を務める西光寺の磯住職はおっしゃいます。

守り継がれてた尺八技法「一朝軒伝法竹(でんほっちく)」は現在福岡県の無形文化財にも指定されているんですよ!

磯住職は子どもの頃から尺八の修行をしてきた方ですが、教える立場になっても尺八の修行に終わりは無いそう。
「一生修行ですね」
と磯住職は優しく微笑まれます。

そんなご住職に「暮らしの中で大切にしてほしいこと」について質問すると――

「仏教では利行といいますが、平たく言えば他人に対する思いやりを持つことですね。
自分の利害ばかり考える人が多い多い世の中だからこそ大切にしてもらいたいと思います」とのこと。

心にしっかりととどめておきたい言葉ですね。

※塔頭(たっちゅう)は、禅宗寺院で、祖師や門徒高僧の死後その弟子が師の徳を慕い、 大寺・名刹に寄り添って建てた塔(多くは祖師や高僧の墓塔)や庵などの小院を言います。

見学レポート

地下鉄祇園駅から徒歩でわずか6分ほどの都心に広がる博多の寺町・御供所町。
この御供所町には様々な名刹が軒を連ねており、その中心には日本で初めて創建された禅宗のお寺「聖福寺」があります。
西光寺はその聖福寺の塔頭寺院(※)のひとつです。

境内に入ると、緑に包まれた庭の向こう側に歴史香る本堂が佇んでいます。
博多の中心地とは思えない静けさで、聞こえるのは葉擦れの音と鳥のさえずりだけ。禅の修行にはぴったりの空間ですね。

静寂に包まれた本堂でお手を合わせると、心が自然と引き締まっていきます。

西光寺には普化宗の寺院「普門山 一朝軒」も併設されており、尺八の稽古も西光寺の本堂にて行われています。
ご本尊様の左隣には普化宗の開祖である普化禅師の像と、楠木正成公のお孫さんで虚無僧の語源とも言われる楠正勝公像なども。
また、本堂に向かう渡り廊下の上には虚無僧の笠である天蓋がずらりと並んでいます。

尺八のお弟子さんは現在30人ほとですが、全員マンツーマンで指導を行われているそう。
一人に月3回指導されるので、ご住職はほぼ毎日尺八を吹いていらっしゃるそうです。

今回の取材では――ご住職に尺八を実際に吹いていただきました!
物悲しく、美しい音色――。目を閉じて聞くと、虚無僧の侘び寂びの世界へと引き込まれていきます。

西光寺の本堂ではご本尊様の前で尺八を奏でる「献奏会」も毎年開催されているそうです。

虚無僧の尺八を伝える寺は現在西光寺と京都の明暗寺のみですが、尺八の愛好家は世界中にいます。
毎年世界中の尺八愛好家が集まり「国際尺八フェスティバル」が開催されていますが、それにはご住職も招待されているそうです

また、西光寺では毎月1日の午前7時より坐禅会も行われています。
檀家さん以外も自由に参加できますよ。

朝いちばん、静寂に包まれたお寺の本堂で坐禅をして、気持ちをきりりと引き締めてはいかがでしょうか?

■尺八はなんとご住職の手作り!

尺八は市販もされていますが、一朝軒のお稽古に使われている尺八はご住職の手作り!!
住職自ら山に入って竹の採取から行われるそうです。
「竹によって色や音の特徴なども異なります。竹探しは大変な作業なのですが、良い音を出せるよう竹選びには徹底してこだわってますね」とご住職。
稽古では1曲ずつ修得していきますので、60を超える曲目をすべて覚える免許皆伝には早い人でも8~10年ほどかかかります。もちろん、免許皆伝は曲を覚えるだけでなく、禅の修行も大切。
こうした修行を行い、皆伝書をもらった外国の方もいらっしゃるそうですよ。
ご興味がある方はまずはお電話にてお問合せくださいね。

お問合せ/092-291-4886

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