浄土真宗
西念寺 さいねんじ
幽谷山 西念寺は、かつて早良区・荒平山の山頂に築かれていた荒平城が落城した後、戦没した家臣の供養のために建てられたという由緒あるお寺。
毎月の定例法座のほか、報恩講の際は旧年度中に亡くなったご家族の“初逮夜”も行っており、地域に根づいたお寺として、たくさんの門信徒さんに愛されています。
寺院紹介
西念寺は天正8(1580)年に、荒平城が落城した後、出家した家臣の土生大和氏が戦没した家臣の供養のために建立された歴史のあるお寺です。
そうした伝統を守り継ぐように数十年前まで文政7年に建立した本堂が改修を重ねながらお寺を見守っていましたが、老朽化のため、平成6年に現在の新本堂に建て替えられました。
約5年の歳月をかけて築き上げられた新本堂は壮麗なしつらえで、広々とした階段を登りつめた先に、威風堂々たる風情で佇んでいます。
さらに平成21年には鐘楼が、平成25年には白壁に美しい屋根瓦を配した山門も完成。堂々とした風格のある境内は、足を踏み入れただけで気持ちが凛と引き締まるようです。
そんな荘厳なたたずまいですが、実は西念寺は地域に根付いたとても親しみやすいお寺♪
仏教婦人会の法座、永代経、報恩講などの行事のほか、毎月の定例法座にもたくさんの門信徒さんが参加され、長年にわたって地域の皆さんに愛され続けているお寺です。
中でも特徴的なのは、毎年1月の報恩講のときに、旧年中に亡くなった方のご家族に本堂に泊まっていただく“初逮夜(はつたいや)”を実施していること。
多い時には2、30人の門信徒さんが参加され、法話を聞き、故人について語らいながら、朝のお勤めまでともに本堂で時間を過ごされるそうです。
「門徒さんの大半が地域の方。
私も幼い頃からお盆やお彼岸のおつとめで門徒さん回りをしていましたが、お寺は特別なものではなく、門徒さんの生活の中に溶け込んでいるんです。
お寺は敷居が高いと思われがちですが、当寺は全くそんなことはありません。
親しみやすい身近な存在でありたいと考えています。」
と西念寺17世の土生顕信住職は微笑まれます。
美しい境内と親しみやすいご住職に会いに、気軽に訪ねてみたくなる…西念寺はそんなお寺でした♪
見学レポート
早良区田村の閑静な住宅街を抜けると…しなやかな曲線を描く切妻の屋根が見えてきます。
まだ真新しい山門をくぐって広々とした境内に入ると、ん?子ども達の笑い声が…。
どうやら、ご住職のお子さんたちと地域の子ども達がかくれんぼを楽しんでいるよう。
格式のある境内ですが堅苦しい雰囲気はなく、思わず笑顔がほころぶ優しい時間が流れていきます♪
実は西念寺のある田村地区は、かつてはその名の通り周囲が田畑に囲まれていたとか。
現在はおしゃれな家々が建ち並んでいますが、暮らしの中にお寺が溶け込んだあたたかな地域性は健在です。
平成21年に建立された鐘楼も本堂と調和した設計で、堂々たる風格!
ここから打ち鳴らされる除夜の鐘は、地域の皆様の年越しの風物詩となっているそうです。
平成27年に住職を継職されたばかりの土生顕信住職は、物腰やわらかな優しい笑顔が印象的ですが、実はとてもパワフルな方。
他のお寺と一緒に幼稚園、子供会などを回って影絵劇をしたり。早良区のお寺の野球チームで活躍されたり。
「今後もいろいろなイベントなどを企画し、気軽に来てもらえるお寺にしたいと考えています!」
と意欲を燃やされています。
そんな住職が大切にされているのは“感謝=おかげさま”の気持ち。
「どんな多忙な毎日のなかでも、ありがとうの気持ち、おかげさまの気持ちを忘れてはいけません。
そしてできればそれをきちんと言葉にしていただきたい。
心豊かに日々を過ごすためにも感謝の気持ちを大事にしたいですね」
と土生住職。
“ありがとう”
“おかげさま”
当たり前のことのようで、ついつい忘れがちですが、本当に大切なことですね。
土生住職、ありがとうございます!
■本堂も納骨堂もゆったりと落ち着いた雰囲気。
一階の門信徒会館から本堂や納骨堂に直接行ける設計になっており、門信徒の皆様が利用しやすいレイアウトになっています。
納骨堂もゆったりとした落ち着いた雰囲気で、心穏やかにお参りができます。
■親鸞聖人が見守る、手入れが行き届いた美しい境内。
庫裏から望む中庭は、植木の緑と庭石が風情豊かに調和していて見事!
植栽も美しく整えられていますが、つつじなど季節の花等はご住職が手入れをしているそうですよ♪
アクセス
交通アクセス:西鉄バス 三軒屋バス停 徒歩4分