祖聖大寺は四国霊場の札所が点在する糟屋郡篠栗町八木山の山あいに広がる、篠栗四国霊場第八十五番札所のお寺です。

その歴史をひもとくと約1200年前にさかのぼります。

祖聖大寺がある郷ノ原は「西の高野山」とも呼ばれ、山林守護の“山の神”が祀られていました。

また修験道の“峯入り”の行場として祖聖大寺にある「五剣の滝」でも山伏による修行が行われていたとのこと。

その信仰の場となっていたのが郷ノ原観音のお堂で、江戸時代には黒田公が長浜武敏公を派遣し、今でも長浜公が奉安された大日如来の石像が祖聖大寺に安置されているそうです。

その後、郷ノ原観音は篠栗四国霊場　八十五番札所となり、昭和60年に寺格を得て祖聖大寺となりました。

今回お話を伺った加藤大周副住職は30代の若さながら、祖聖大寺をより愛されるお寺にするために修行を重ね工夫を施されています。

「当寺は願掛け寺として評価が高く、特に縁結び、子授け、安産祈願の寺としてたくさんの皆様にお参りいただいています。
ほかにも先祖供養、水子供養、厄除けなどの各種ご祈願や供養、人生相談・葬儀・仏前結婚式・講演出張なども行っています。
ぜひお気軽にご相談いただきたいですね」と加藤副住職は微笑まれます。

中でも有名なのが烏枢沙摩明王という「トイレの神様」の御札で、全国から購入希望の申し込みがあるとか。

「この郷ノ原は古来より修験道の修行の場であったということもあり、住職も副住職も日々修行にいそしんでいます。
また、皆様も滝行や修行道場などをご体験いただけます。
山々に囲まれ、風の音、水の音、大自然の中に身を置いて、自らをゆっくりと見つめ直す心豊かな時間を過ごしてはいかがでしょうか。」(加藤副住職)

祖聖大寺へは、まず福岡方面から国道201号線を飯塚方面に行き、南蔵院を通り過ぎて八木山峠に向かいます。

途中、祖聖大寺の看板が見えたら右折し、約５００ｍほど進むと桜並木が出迎える牧歌的な風景が…。
そこに祖聖大寺の境内が広がっています

駐車場の目の前には可愛らしい赤色のお堂が…。

ここは恋愛成就、夫婦円満などのご利益があると言われる愛染明王をご本尊とするお堂「愛染堂」で、縁結びのご祈願や良縁お守りなども用意されています。

しばらく歩くと随所に馬頭観世音菩薩などの仏様、そしてお稲荷さんの祠なども。
まさに神仏習合の空間に足を進めながら、朱色の橋を渡り本堂へと向かいます。

本堂の手前では「13仏堂」をはじめ、ずらり並ぶ石仏様がお出迎え。

本堂に安置されていてるご本尊様は高松市の五剣山八栗寺から勧請した聖観世音菩薩様。

その他にも祖聖大寺では、お滝場の不動明王や愛染明王、子安観音、この世の汚れを焼き尽くすトイレの神様“烏枢沙摩明王”など様々な仏様や神様に出会うことができます。

お手を合わせているとどこからか、激しくも涼しげな水音が聞こえてきます。
その音に誘われるように階段を降りると不動明王様が見守る中、轟々と流れ落ちる滝が！

ここはかの弘法大師も修行をしたと言われる「五剣の滝」です。

今でも住職や副住職が修行をされているそうで、一般の皆様の滝行も受け付けているそうですよ。

お滝場がある森はその随所に白巳大明神や金毘羅宮などの神様も見守られていてまさに霊験あらたか！

またその他にも、祖聖大寺では写経体験や、境内参拝、滝行(希望者)、写経、阿字観・内観瞑想、法話、勤行、清掃などすべてを経験できる一日コースも用意されています。

祖聖大寺はこのように様々なご祈願や修行ができるお寺なのですが、実はご供養面についても充実しています。

「本寺では納骨堂のほか、数年後には永代供養墓も完成予定です。

永代供養墓は供養でお悩みの方の問題を解決するために価格を安価に設定。

365日朝昼夜に丁寧にご供養するなど、大切なご家族やご先祖様が安心して眠っていただけるように努めています」(加藤住職)

そんなご住職にご供養に関するアドバイスをいただきました。

「最大の親孝行とは“親を安心させること”であり、それが親の親、そしてその親であるご先祖様を安心させることに繋がります。
つまり先祖供養をしたいなら、自らが親を安心させる行いをすることが大切なのです。

自分から良い言葉を使い良い行動をし良い考え方をして生活を営むこと。
これこそが親やご先祖様を安心させ、ご供養につながるんですよ」と加藤副住職。

ささぐりの豊かな自然の中、より豊かな生き方も見つけることができる―祖聖大寺はそんな素敵なお寺でした。