正覚寺は元和年間(1615-1624)に順空(松尾甚九郎)が開基したお寺で、同じく福岡市中央区にある長徳寺(小笹)、法傳寺(大手門)とは兄弟寺にあたります。

第14世の先代住職が早世したため、一時長徳寺の住職が住職を兼務されていましたが、その後賞雅曜哲(たかまさようてつ)氏が入寺し、2018年に第15代住職に就任されました。

賞雅住職は東京藝術大学の音楽学部出身という稀有な経歴の持ち主。

学生時代に仏教に傾倒し、浄土真宗教学研究所元所長である梯 實圓（かけはし じつえん）和上との出会いをきっかけに僧侶を志すことになったそうです。

大学の同級生である坊守さんも芸術の造詣が深く、これまではアートイベントの仕事にも携わってこられたそうです。

その後、大阪の行信教校で浄土真宗を学び、2018年に正覚寺の住職に就任。

2019年には本願寺派布教使の資格を得て、お寺の運営だけでなく、仏教を基盤とした地域の皆様を元気にする多彩な活動を行われています。

その一つが毎月一回の仏教の勉強会と毎月2回開催している「おんがくひろば」です。

「おんがくひろば」は0～3歳のお子さんとそのご家族が対象で、本堂で住職がピアノを弾き、坊守さんが司会進行をして、手遊びをしたり、リズム遊びをしたりして楽しむことができます。

「子育てでステイホームをしているお母さんや子どもたちに、楽しみながら音楽体験をしてもらえれば‥という思いで令和3年にスタートしました。

参加者の大半が門徒さんではなく地域の方で、ほとんど告知してないにも関わらずたくさんの皆様に来ていただき、こうしたご要望が多いことを実感しました。その他、緊急事態宣言中には少しでもほっこりとするひとときを提供できればと“10分電話”も企画しましたね」とご住職。

他にもお寺の本や絵本、ボードゲームなどの貸し出し、浄土真宗のお説教のCDの進呈、1日1組限定で本堂を自由に使うことが出来る企画なども実施し、コロナ禍で思うように動けない子どもたちやお母さん方を元気づけるきっかけ作りにも力を注がれているようです。

(図書の貸し出しも行われています)

(本堂には子どもたちのプレイスペースも設置)

こうした企画には門徒さん以外にも門戸を広げられ自由に参加できます。

皆さんもぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

※詳細はお電話またはホームページなどでご確認ください

正覚寺は福岡市中央区大手門、地下鉄空港線の大濠公園駅からわずか徒歩5分ほどの交通アクセスが良い大変便利なお寺です。

お寺の入口は福岡市の中心地からもほど近い長浜通り沿いにある二階建ての建物で、一見お寺には見えません。
しかし門をくぐると開放感がある空間が広がり、凛とした清冽な空気に包まれていきました。

本堂は階段を上った二階にあり、足を踏み入れると都心とは思えない広々とした厳かな空間が広がっていました。

落ち着いた雰囲気の本堂――その隅に佇んでいるのはなんとグランドピアノ！
おんがくひろばの時はこのピアノが大活躍。住職がピアノを弾いたり、子どもたちが鳴らして遊んだり。

また2018年のお花まつりには「小さな音楽会」も開催。
ピアニストのステージのほか、坊守さんが歌、住職がピアノや楽器などの演奏を行い、本堂が音楽の魅力に包まれる楽しいコンサートになったそうです。

「2020年のお花まつりにはフリーマーケットや歌声喫茶、こどもアートワークショップなども企画しましたが、ちょうどコロナの緊急事態期間に重なり中止になってしまいました。
しかしこの後状況が落ち着いたらまた開催したいと思っています！」
と住職。

他にも住職が今後やっていきたいと考えられているのが子ども食堂のお寺版となる「お寺食堂」。

「都心のお寺だからこそ子どもたちも集まりやすいのではないかと思います。
他にもプログラミング教室なども行っていきたいですね」
と目を輝かされます。

なぜこうしたイベントを積極的に開催されているのでしょうか。
その質問に対し、優しい笑顔とともにこのような言葉が返ってきました。

「いろいろなことがある時代ですが、嬉しい時も悲しい時もいつも仏様が一緒です。
こうした行事が仏様を意識しながら暮らしていただくきっかけになればと思っています」

イベント等は正覚寺のFacebookやInstagramでも随時確認することが出来ます。

ぜひこちらもご覧ください。

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